Kドラマの新たなる傑作?! 「涙の女王」エピソード10! | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

2024年の現時点での韓国ドラマの最高傑作といえば、

現在日本ではNetflixで配信中の「涙の女王」

 

 

キム・ジウォン、キム・スヒョン主演の

ラヴストーリーですが、

厳密にいえば、財閥令嬢と田舎出身の弁護士青年の

身分のギャップが激しい2人の恋を描いた

逆シンデレラ的なロマンスと同時に、

その後の2人の結婚の破綻と再生の物語でもあります。

 

失われた愛と絆を再び取り戻す、

というテーマは韓国ドラマとしては、なかなか新機軸かと。

 

全16エピソードで、1週間に2エピソード配信されますが、

Studio Dragon制作なので、「還魂」などもそうでしたが、

一話が80分から90分という映画一本分のボリューム

 

そうなると、なるべく多くのキャラクターを登場させて、

それぞれのエピソードをスマートに交錯させないと

話がもたないわけですが、二つの家族と

ヴィラン的な存在(パク・ソンフンが相変わらず憎らしいほど強烈)

がいずれもキャラクター造形が際立っており、

三角関係や家族同士の対立や交流、

脇役のロマンス、サスペンスフルな財閥転覆の陰謀などを

交えて重曹的に、巧みに交通整理しながら

小気味よく描いているので、飽きることはないです。

 

近年の韓国ドラマの傾向として、

尻上がりに盛り上がりをみせ、最終話で一気にピーク!

ということが少なく、長丁場のマラソンだけに、

ラストではすでに息切れをしており、

最終話の2つ前ぐらいのエピソードがピークで

着地の収まりが悪い。

と感じることがよくあるのですが

(制作途中で脚本が変更されることも理由の一つかも?)、

「涙の女王」の場合は、先週日曜に配信された

第10話、これが早くもピークではないか。

というぐらい最高潮にドラマティックで

カタルシスを得たのでありました。

 

ここから残り6エピソードがゴールに向かって、

どういう方向に転がっていくのか。

第10話以上のさらなるピークが待っているのか。

 

俄然、今後の展開に目が離せないのですが、

今月中にこの作品がもう終了してしまうというのが、

残念でもあります!