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Just for a Day: 小林真里ブログ

映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

現地時間で明日3月10日、いよいよ

アカデミー賞が開催されます。

 

 

一応、主要部門の受賞作品&受賞者

予想してみました。

 

 

作品賞:『オッペンハイマー』

監督賞:クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)

主演男優賞:キリアン・マーフィー(オッペンハイマー)

主演女優賞:リリー・グラッドストーン(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)

助演男優賞:ロバート・ダウニー・Jr.(オッペンハイマー)

助演女優賞:ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

(ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ)

脚本賞:『落下の解剖学』

脚色賞:『アメリカン・フィクション』

 

というわけで、『オッペンハイマー』がスイープすることは

想像するのは難しくないのですが、

主演女優賞のみ、強力な対抗馬である

エマ・ストーンが受賞する可能性もあるかと。

 

ちなみに、僕がアカデミー会員だったら、

投票はこんな感じになっていたでしょう。

 

作品賞:『関心領域』

監督賞:ジョナサン・グレイザー

主演男優賞:ポール・ジアマッティ

主演女優賞・リリー・グラッドストーン

助演男優賞:スターリング・K・ブラウン

助演女優賞:ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

脚本賞:『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』

脚色賞:『関心領域』

 

https://www.oscars.org/oscars/ceremonies/2024

 

アメリカ出張から戻りました。

 

L.A.に2泊、ニューヨークで7泊してきました。

 

ロサンゼルスでは、

インディペンデント・スピリット・アワード

授賞式当日にサンタモニカの会場にも行きました。

 

もちろん、式には参加できませんでしたが!

でも、授賞式の前にノミネートされていた

『The Unknown Country』監督の

モリッサたちと無事再会できて感激。

 

あとは、ハリウッド女優の友、アレックスとも再会し、

ウェスト・ハリウッドでディナーをして、

ビッグニュースを教えてもらったり。

 

ライヴは、ハリウッド・パラディウムで

Ceremonyのソールドアウトライヴを観ました。

ただのパンクバンドではなく、

ニューウェイヴの要素もあったりして、ユニークなバンド。

この日は代表作「Rohnert Park」の完全再現ライヴでした。

 

L.A.ではダウンタウンに滞在したのですが、

一昨年訪れた時よりも治安が悪くなっており、

もはや終末後の世界の様相。

まるで『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でした。

地元民はほとんど誰も乗らないメトロやバスでも、

奇声をあげたり、絶叫している危ない人を頻繁に見かけました。

 

1998年以降毎年訪れ、2005年から2年間住んでいた

心の故郷ニューヨークは、

2020年3月以来の帰郷でしたが、

街自体以前と同じ場所に同じアイコニックな

ランドマークがあり、ああ久しぶりに帰ってきたなあ。

という感慨もなく、自然と街に溶け込み、

慣れていったのは不思議な感覚でした。

 

しかし、閉店になり空いたままの

テナントが中心部でも多く見られ、

レストランは21時くらいに閉まるところが多く、

エリアによっては治安も悪くなってホームレスも増えていて、

パンデミック後の顕著な変化を多くの場面で目にしました。

 

ニューヨークでも、連日フランクやマルセラスら

友人たちと再会し、充実した時間を過ごしました。

おおむね天候も良好だったので、

マンハッタンやブルックリンを

時間をかけて歩いて散策しました。

 

そうはいっても、MitskiNation of Language

Danielle Durackらのライヴは観ましたが。

 

映画は、『デューン PART 2』を初日木曜日に

リンカーンセンターのAMCでIMAX75mm版で鑑賞。

スコアと音響効果の迫力は凄かったです。

 

物価も上昇し、円安も1ドル150円のままで、

経済的圧迫はなかなか苦しかったのですが、

無事映画の追加撮影もできて(100%思っていた

ような形にはなりませんでしたが)、

久々にニューヨークの空気を吸い、

ストリートのエネルギーと、

自由と解放感を感じ、大切な友人たちと

貴重な時間を過ごすことができて、

とてもポジティブな気持ちになれましたし、

前に進むためのパワーをもらうことができました。

 

これを糧に、今進めている2本のプロジェクトに

さらに情熱を込めて臨めそうです。

 

 

 

さて、今年初の韓国出張が終了。

 

5泊6日の滞在で、最後の二日間、特に昨日は

大雪に見舞われましたが、それまでは

さほど寒くなく、過ごしやすかったです。

 

今回はホンデと新村の間のエリアで

宿を取ったのですが、

ここは絶好のロケーションで、今後もここを

拠点にしようと心に決めました。

 

少し歩いてミニシアターのライカシネマと

フィルムフォーラムにも行けましたし、

シネコンも徒歩圏内にいくつもあり、

深夜まで営業している良いスーパーや好きな食堂もあり、

最後の夜にBlack Country, New Road

ライヴを観たライヴハウスも歩いて行けました。

 

彼らの今年初のこのライヴでは、予想通り

新曲(「Socks」)もプレイしてくれたのですが、

これまた複雑で壮大なナンバーで良かった。

2022年以来の披露となった未リリース曲

「Geese」にも唸りました。

 

帰国当日に、期待の韓国の

フォークホラー『Exhuma』(パミョ)

ちょうど封切られたので

朝からホンデのCGVで観てきました。

 

ネタバレになるので多くは書きませんが、

先祖の祟りの物語から一転、

さらに恐ろしい怨念、

過去の「まさかの」ゴーストが

鬼の形相でダイナミックに暴れ回る、

パワフルでワイルドなホラーでした。

巨大な火の玉も登場します。

 

豪華アンサンブルキャストのケミストリーは圧巻でしたが、

チェ・ミンシク、キム・ゴウンの熱演が特に素晴らしい。

すでに韓国ではメガヒットの兆しが見えています。

 

 

 

突然ですが、僕が選ぶ

2000年代の映画ベスト100を発表します。

 

2000年から2009年までの10年間は、

個人的にはニューヨークに移住したり、

専業ライター(映画評論家)になったりと、

人生の分岐点となる重要なディケイドでした。

 

2024年になった今もまだ、

そんなに遠い過去のこととは思えないのですが。

 

実は、このリストは数年前に書き終えていたのですが、

特に発表する場所もないしどうしようかな。

と思っていたのですが、折角なのでこの機会に。

 

以前、イギリスの映画誌「Little White Lies」

同様の特集を組んでいたので、

そこにインスパイアされた面もありますが。

 

上から下に向かって、

100位から1位という書き方をしましたが、

上位20本以外は、あまり順位は関係ないです。

 

もしかしたら、うっかりリストから漏れた、

選び忘れた作品もあるかもしれませんが。

 

 

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イーグル vs シャーク(監督 タイカ・ワイティティ)

アモーレス・ペロス(監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)

ペルゼポリス(監督 マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー)

JSA(監督 パク・チャヌク)

潜水服は蝶の夢を見る(監督 ジュリアン・シュナーベル)

ブロンソン(監督 ニコラス・ウィンディング・レフン)

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(監督 ピーター・ジャクソン)

天国の口、終りの楽園(監督 アルフォンソ・キュアロン)

ゴモラ(監督 マッテオ・ガローネ)

ハート・ロッカー(監督 キャスリン・ビグロー)

 

母なる証明(監督 ポン・ジュノ)

隠された記憶(監督 ミヒャエル・ハネケ)

過去のない男(監督 アキ・カウリスマキ)

屋敷女(監督 ジュリアン・モーリー&アレクサンドロ・バスティロ)

散歩する惑星(監督 ロイ・アンダーソン)

ハンガー(監督 スティーヴ・マックイーン)

ゾディアック(監督 デヴィッド・フィンチャー)

ジンジャー スナップ(監督 ジョン・ファルセット)

アウェイ・フロム・ハー 君を想う(監督 サラ・ポーリー)

ズーランダー(監督 ベン・スティラー)

 

俺たちニュースキャスター(監督 アダム・マッケイ)

ミレニアム・マンボ(監督 ホウ・シャオシェン)

籠の中の乙女(監督 ヨルゴス・ランティモス)

永遠のこどもたち(監督 J・A・バヨナ)

闇の列車、光の旅(監督 キャリー・ジョージ・フクナガ)

フローズン・リバー(監督 コートニー・ハント)

ミステリアス・スキン(監督 グレッグ・アラキ)

マン・オン・ワイヤー(監督 ジェームズ・マーシュ)

花様年華(監督 ウォン・カーウァイ)

ダニエル・ジョンソンと悪魔(監督 ジェフ・フォイヤージーグ)

 

ドッグタウン&Z BOYZ(監督 ステイシー・ペラルタ)

ロイヤル・テネンバウムス(監督 ウェス・アンダーソン)

ミーン・ガールズ(監督 マーク・ウォーターズ)

ドニーダーコ(監督 リチャード・ケリー)

レスラー(監督 ダーレン・アロノフスキー)

ミュンヘン(監督 スティーヴン・スピルバーグ)

グリーン・デスティニー(監督 アン・リー)

ミルク(監督 ガス・ヴァン・サント)

トラフィック(監督 スティーヴン・ソダーバーグ)

ガーゴイル(監督 クレール・ドゥニ)

 

瞳の奥の秘密(監督 フアン・ホセ・カンパネラ)

スプライス(監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ)

サイドウェイ(監督 アレクサンダー・ペイン)

4ヶ月、3週と2日(監督 クリスチャン・ムンギウ)

スラムドッグ$ミリオネア(監督 ダニー・ボイル)

エターナル・サンシャイン(監督 ミシェル・ゴンドリー)

ボーン・アルティメイタム(監督 ポール・グリーングラス)

ナポレオン・ダイナマイト(監督 ジャレッド・ヘス)

トロピック・サンダー(監督 ベン・スティラー )

エレファント(監督 ガス・ヴァン・サント)

 

ゴーストワールド(監督 テリー・ツワイゴフ)

ドッグヴィル(監督 ラース・フォン・トリアー)

ニューワールド(監督 テレンス・マリック)

ヒットマンズ・レクイエム(監督 マーティン・マクドナー)

夏時間の庭(監督 オリヴィエ・アサイヤス)

スキャナー・ダークリー(監督 リチャード・リンクレーター)

26世紀青年(監督 マイク・ジャッジ)

アメリカン・サイコ(監督 メアリー・ハロン)

アレックス(監督 ギャスパー・ノエ)

シン・シティ(監督 ロバート・ロドリゲス)

 

サイン(監督 M.ナイト・シャマラン)

DIG!(監督 オンディ・ティモナー)

バッド・ルーテナント(監督 ヴェルナー・ヘルツォーク)

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(監督 ポール・トーマス・アンダーソン)

善き人のためのソナタ(監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)

ブラックブック(監督 ポール・ヴァーホーヴェン)

イースタン・プロミス(監督 デヴィッド・クローネンバーグ)

コララインとボタンの魔女(監督 ヘンリー・セリック)

ユー・キャン・カウント・オン・ミー(監督 ケネス・ロナーガン)

インファナル・アフェア(監督 アンドリュー・ラウ)

 

白いリボン(監督 ミヒャエル・ハネケ)

オールドボーイ(監督 パク・チャヌク)

第9地区(監督 ニール・ブロムキャンプ)

ノーカントリー(監督 コーエン兄弟)

メメント(監督 クリストファー・ノーラン)

殺人の追憶(監督 ポン・ジュノ)

21グラム(監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)

パンチドランク・ラブ(監督 ポール・トーマス・アンダーソン)

トーク・トゥ・ハー(監督 ペドロ・アルモドバル)

イングロリアス・バスターズ(監督 クエンティン・タランティーノ)

 

20. ONCE ダブリンの街角で(監督 ジョン・カーニー)

19. ムーラン・ルージュ(監督 バズ・ラーマン)

18. 24アワー・パーティ・ピープル(監督 マイケル・ウィンターボトム)

17. JUN0/ジュノ(監督 ジェイソン・ライトマン)

16. ブロークバック・マウンテン(監督 アン・リー)

15. REC/レック(監督 パコ・プラサ&ジャウマ・バラゲロ)

14. ライフ・アクアティック(監督 ウェス・アンダーソン)

13. 預言者(監督 ジャック・オーディアール)

12. ヒストリー・オブ・バイオレンス(監督 デヴィッド・クローネンバーグ)

11. イカとクジラ(監督 ノア・バームバック)

 

10. シティ・オブ・ゴッド(監督 フェルナンド・メイレレス)

9. 復讐者に憐れみを(監督 パク・チャヌク)

8. あの頃、ペニーレインと(監督 キャメロン・クロウ)

7. マーターズ(監督 パスカル・ロジェ)

6. ビフォア・サンセット(監督 リチャード・リンクレーター)

5. パンズ・ラビリンス(監督 ギレルモ・デル・トロ)

4. グラインドハウス(監督 クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス)

3. レクイエム・フォー・ドリーム(監督 ダーレン・アロノフスキー)

2. ぼくのエリ、200歳の少女(監督 トーマス・アルフレッドソン)

1. マルホランド・ドライヴ(監督 デヴィッド・リンチ)